一気に暑さが押し寄せ寝苦しい夜が続きます。慰霊の日、多くの人々が平和祈念の広場に集まりました。平和の礎の前で泣きくずれる人々。大切な人の名前を手のひらで撫でて涙する老人たち。その山のような人だかりを容赦なく太陽が照らしていました。この暑さの中では健康な人でさえ大変な事。戦争の中で負傷した人々、幼子をおぶって逃げまどった人々、腰も曲がり歩けなくて逃げるのをあきらめた人々。65年前の6月のことを考えた時、いまさらながら過酷な日々が想像できました。ひめゆりの塔の映像や体験の記録を読み進めると、負傷した人の傷を覆い尽くす蛆虫の蠢き、とありました。蒸し暑さの中で死んでいった人々の苦しみから、目を背けてはならないと心に刻んだものです。いきなり戦争の書き出しになってしまいました。6月を振り返るとそれ以外の事を思い出すことが困難なほど、沖縄の6月は重要なのです。お許し下さい。
 セミの鳴き声が人々の視線を木の枝に集める7月になりました。子どもたちは敏感に耳をそばだてて「セミが鳴いたよー」「取りにいこうか」とせがみます。でも、どうしてもセミを見つける事ができないのです。小さなセミ(ニイニイ蝉)は捕獲しやすかったのですが、アブラゼミはなかなか取れません。それに数も少なくなりました。十年前はセミカゴが真っ黒になるほど取れたものですが、今は殆ど捕獲できません。それほど自然現象が変化した事を実感している毎日です。
なんくる家の子ども達も保育園の子ども達も、「水」が恋しい季節ですね。先月水槽を森田さんに整備していただきました。水槽の中で水草がゆらぎ、美しい色の熱帯魚が泳いでいるのを見るだけで子どもも大人も涼しさを感じてホッとします。水槽の中の涼しさ、訪れる風の涼しさ、ガジマルの木陰の涼しさ、七夕の笹の葉に留まる風の涼しさ、朝顔を揺らす風の涼しさ~シャボン玉を空に飛ばす風を呼び込みながら暑さを吹き飛ばしたいものですね。
 笹の葉は、園の向かいに住んでおられる「野崎さん」からいただいたものです。毎年ちゃんと届けていただくのです。有り難いですね。七夕に願いを書く、短冊の揺れる様もやはり涼しさの演出には役立ちますね。
 なんくる家の、軒下でのプール遊びも子どもたちにとっては楽しみの一つです。体調を崩さないようにしながら色々な夏の遊びに参加できるようお勧めします。沖縄の海はすぐ近くにあります。家族で海水浴に出かけるなど思い切り夏を楽しんでください。             (石川)

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