刻まれし名をなでひれ伏す 老女の肩 蝶が舞う

 6月は沖縄にとっては特別な月です。戦後69年、今だアメリカ軍の基地が存在し危険性を言われながらも県民はなすすべもなく、オスプレが空を飛ぶ私達の島です。
青い海、青い空、白い砂浜~珊瑚礁の豊かな海を魚たちが泳ぐ私達の島です。
 1944年4月1日にアメリカ軍が沖縄に上陸し、6月23日の終戦までの間に20万人もの人が戦死をしたのも私達の島です。兵士だけではなく子どもから老人まで多くの民間人が巻き込まれた戦争を体験した島です。その有り様を表して「鉄の暴風」と沖縄作家が書き残しております。暴風のように空から鉄砲の玉がふってきたということです。鉄の暴風は人々を吹き飛ばし自然を破壊していったのです。
 「なんくるないさ」とおおらかそうに見えている沖縄の人々の心の奥に刻まれた苦しみや悲しみや怒りを忘れてはならないのです。
 対馬丸という疎開船が撃沈されました。広い世界を体験してほしいと船に乗り疎開することを勧めた先生の談話が新聞に載っていました。死んでしまった教え子に対する思いは言葉にはできないのです。
自分が生きていることに罪悪感を抱きながら69年間を過ごしてこられたのでしょう。「生きていてごめんなさい」という言葉を戦争体験者の話の中に頻繁に出てきます。
 「生きていてごめんなさい」なんて言わしてはなりません。だからこそ沖縄から平和を全国に全世界に訴えていかなければならないのだと~つくづく考えた6月でした。
 いきなり難しく堅苦しい話題になってしまったことをお許しください。
さて、長い長い梅雨でした。しかし、梅雨明け以降も土砂降りの雨に悩まされている毎日です。雨が降るとプレハブの出入り口付近が水たまりになってしまいます。7時前に出勤をして、雨の日には溜まった水を溝に流すことから園長の仕事は始まります。
 しかし、それより前に、お隣の平地さんがいつも丁寧に門の前を掃き清めてくださっています。今朝も一番に園児が気持ちよく登園できるようにと溜まった水を溝に流して下さっていました。本当に頭が下がります。
 「日曜日は子どもの声がしないから寂しいさ~」と平地さんは言って下さいます。子どもたちの名前も覚えていてくれているのです。それ程、いつも見守ってくださっている近所のみなさんがいることを心に留めて仕事をしなければとつくづく思いました。ありがたいことです。
 さて、夏休みになると、毎年なんくる家は幼稚園生、小学生で賑わいます。今年は狭いプレハブ暮らしですが、どのように対応すればいいのか悩むところです。
何はともあれ夏バテしないように健やかに暮らしてください。                    
                                           園長   石川

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